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07. 国境をまたいで考える:日本と「朝鮮半島」

申し込み価格(税込):
20,000


日本・韓国・「北朝鮮」―。それぞれに政府が定めた明確な国境がありますが、人びとは現実に国境を越えて生活し、交流し、時代を創っています。国の理屈ではなく、社会のはざまに生きる生活者の視点からこれからの日本と朝鮮半島を一緒に考えてみましょう。

●2019年5月ー7月
●原則として水曜日 19:00ー21:00
●全6回/定員25名
●受講料 20,000円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。

(イメージ写真) CC: alshain49 via Flickr
只今申し込みできません。お問い合わせください。

●コーディネーター 

金敬黙(キム・ギョンムク)早稲田大学文学学術院 教授

1972年、東京都生まれ。ソウルと東京で育つ。日本国際ボランティア協会(JVC)理事、オックスファム・ジャパン理事などを歴任。JVC事務局勤務、中京大学専任教員を経て2016年より現職。
07. 国境をまたいで考える:日本と「朝鮮半島」

5/22 「北朝鮮問題」の過去、現在、未来―人道支援のジレンマ

金敬黙(キム・ギョンムク)(早稲田大学文学学術院 教授)

「北朝鮮問題」として人道、人権、核開発、拉致、独裁などがあげられます。これらの問題について過去から現在まで、どのようなアプローチが「国際社会」によって展開されてきたのかについて考察します。とくに日本や韓国の市民社会がどのような形で個別または連携を組みながら「北朝鮮問題」に関わってきたのかについて2回に分けて考察を行います。その一回目として「人道支援のジレンマ」について考えます。

●著書:『非戦、対話、NGO』(共著)新評論 2017/『私、北朝鮮から来ました。ハナのストーリー』(共著)アジアプレス 2015
●参考文献:李鍾元、木宮正史『朝鮮半島 危機から対話へ――変動する東アジアの地政図』岩波書店 2018

6/5 世界中に広がる脱北者-難民と移住者の両義性

金敬黙(キム・ギョンムク)(早稲田大学 文学学術院 教授)

「北朝鮮問題」に対する「国際社会」の関わり方を考察する。その二回目として「世界中に広がる脱北者-難民と移住者の両義性」について考えます。

6/19 ヘイトスピーチと在日コリアン

鄭康烈(チョン・カンリョル)(一橋大学大学院社会学研究科)

2000年代以降、在日コリアンに対する排外主義の気運が高まっています。2016年にはヘイトスピーチへの対策法が成立したものの、現在でもネットやテレビなどのメディア空間はヘイト言説があふれ、路上での排外主義デモも止むことがありません。この回では、ヘイトスピーチがその矛先となる在日コリアンにいかなる影響を与えるか、そして在日コリアンはその状況にどのように対処しているのかについて考えます。

●参考文献:川瀬 俊治・ 郭 辰雄『知っていますか?在日コリアン一問一答』解放出版社 2014/地球村同胞連帯(KIN) ・「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会『朝鮮学校物語―あなたのとなりの「もうひとつの学校」』花伝社 2015
07. 国境をまたいで考える:日本と「朝鮮半島」

7/3 なぜ「朝鮮籍」で生きるのか

崔紗華(チェ・サファ) (早稲田大学グローバルエデュケーションセンター)

「朝鮮籍」を知っていますか。それは、北朝鮮国籍ではなく、実は〈日本〉の外国人登録法で規定されている登録上の表示です。事実上の無国籍と言われています。「朝鮮籍」保持者は、就職、海外旅行、政治参加等において様々な困難に直面してきました。にもかかわらず、現在も約三万人が「朝鮮籍」を保持し日本で暮らしています。この回では、「朝鮮籍」を維持する一人の在日コリアンが、なぜ「朝鮮籍」を維持してきたのかをお話しします。その上で、在日コリアンとの向き合い方について考えます。

●著書:(2018)「東京都立朝鮮人学校の廃止と私立各種学校化ー居住国と出身社会の狭間でー」『境界研究』2018年8月号(http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/JapanBorderReview/no8/index.htmlよりPDFを閲覧可)/「占領期日本における朝鮮人学校ー学校の閉鎖と存続をめぐって」『政治公法研究』2015年108号
●参考文献:田中宏『在日外国人ー法の壁、心の溝―』 岩波書店 2005/福岡安則『在日韓国・朝鮮人ー若い世代のアイデンティティー』 中央公論新社 2002
07. 国境をまたいで考える:日本と「朝鮮半島」

7/17 交流を通して考える南北コリアと日本の未来

寺西澄子(アーユス仏教国際協力ネットワーク)

経済的な結びつきは深まっている東北アジアですが、この地域を思うままに行き来できる人は限られています。情報も遮断されがちななか隣国の脅威論が独り歩きして、「共存」や「平和」の実現は現実味が薄いと捉えるむきもあります。90年代からの北朝鮮人道支援および交流事業で、平壌をはじめ東北アジア各地を訪れて続けてきた日本のNGOの活動を紹介しつつ、交流の可能性と課題、そして私たちがどんな未来を望むかを考えます。

●著書:『北朝鮮の人びとと人道支援』日本国際ボランティアセンター編 明石書店 2004
07. 国境をまたいで考える:日本と「朝鮮半島」

7/31 朝鮮半島平和プロセスを考える

金敬黙(キム・ギョンムク)(早稲田大学文学学術院 教授)

2018年の南北首脳会談、米朝首脳会談は朝鮮半島の非核化をめぐる第一歩的な取り組みとなりました。その進め方をはじめ、日本と朝鮮半島、そして東アジアの「平和」を考える上で、何が見落とされているのか、どのような市民的な役割が模索されるべきなのか、などについて、コースの総合的なまとめを兼ねて展開します。