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05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

申し込み価格(税込):
28,000


1923年の関東大震災のとき多くの朝鮮人が虐殺されました。小池百合子東京都知事は、「死者の数があいまいではないか」という論争などを受けて、追悼文を送ることを2年続けて見合わせました。惨事は本当に不透明なものなのでしょうか。さまざまな人の努力によって、詳細な経緯や真相がいま明らかになりつつあります。大量殺害の背景には、流言飛語に促されたのではなく、軍や警察の命令に従わざるを得ない事情や、自警団内の階層の問題が横たわっています。追悼にあたっては、地域住民の複雑な事情や朝鮮半島出身の人びととの連携と知られざる物語がありました。最新の知見をもとに、96年前の悲劇と、それに向き合う日本社会の課題について考えていきます。3回は現場でのフィールドワークを行います。

●2019年 6月ー10月 
●月曜日19:00ー21:00あるいは土曜日午後
●全8回/定員30名 
●受講料:28000 円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。

(イメージ写真) Public domain via Wikimedia Commons
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講師&コーディネーター

永田浩三(武蔵大学 教授/ジャーナリスト)

1954年大阪生まれ。1977年NHK入社。ディレクターとして教養・ドキュメンタリー番組を担当。プロデューサーとして『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』『ETV2001』等を制作。2009年から武蔵大学社会学部教授。「表現の不自由展」共同代表。映画『60万回のトライ』共同プロデューサー。

●主著『ヒロシマを伝える 詩画人・四國五郎と原爆の表現者たち』WAVE出版 2016 /『奄美の奇跡』WAVE出版 2015
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

6/17(月) 19:00ー21:00 いまわかりつつあること

西崎雅夫(<一社>ほうせんか 理事)×永田浩三

関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺事件はずっと日本政府が隠蔽してきた結果、いまだにわからないことが多い。「何が起きたのか」を知るには体験・目撃証言が欠かせない。

●編著:『関東大震災朝鮮人虐殺の記録―東京地区別1100の証言』現代書館 2016/『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』ちくま文庫 2018
●参考文献:山田昭次『関東大震災時の朝鮮人虐殺―その国家責任と民衆責任』創史社 2003/加藤直樹『九月、東京の路上で 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響』ころから 2014
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

6/29(土)14:00ー16:00 虐殺絵を読み解く

新井勝紘(高麗博物館 館長)

自分が描くしかないという衝動に衝き動かされて、若い画家たちが残してくれた貴重な虐殺絵と、震災を体験した児童が一番恐ろしかったことを描いた絵から何が見えてくるか。

●主著:『五日市憲法』岩波新書 2018/『日本の時代史 22巻 自由民権と近代社会』(編著)吉川弘文館 2004
●参考文献:『描かれた朝鮮人虐殺と社会的弱者』高麗博物館図録 2018/関東大震災80周年記念行事実行委員会編『世界史としての関東大震災』日本経済評論社 2004
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

7/13(土) 午後【東京都世田谷区を訪ねる】 椎の木の「記念樹」とどう向き合うか

丸浜 昭(獨協大学・明治大学 非常勤講師/歴史教育者協議会 副委員長)

世田谷区の震災体験記集にはデマや「朝鮮人騒ぎ」が怖かったと多数載る。烏山では虐殺事件が起こされ「記念樹」の椎が残る。何の「記念」で、今、それとどう向き合うか。

●主著:「生徒と調べた関東大震災時の烏山における朝鮮人虐殺事件」『東京の歴史教育』14号 1984/「自治体史のなかの朝鮮人殺害事件―東京を事例として」『歴史評論』521号 1993
●参考文献:加藤直樹『九月、東京の路上で 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響』ころから 2014/西崎雅夫編『関東大震災朝鮮人虐殺の記録―東京地区別1100の証言』現代書館 2016
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

7/27(土) 午後【千葉県八千代市を訪ねる】 遺骨の発掘と追悼・慰霊の取り組み

平形千惠子(千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会)

朝鮮人を「保護」したはずの陸軍習志野収容所で、何がおこなわれていたか。選別し、連れだし殺し、更に住民に渡し殺させていた。観音寺では、慰霊碑と韓国式鐘楼の前で慰霊祭が続いている。

●主著:『いわれなく殺された人びと―関東大震災と朝鮮人』(共著)青木書店 1983/『千葉の「関東大震災と朝鮮人虐殺事件」を歩く』(共著)千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会 2013(2018改訂)
●参考文献:関東大震災80周年記念行事実行委員会編『世界史としての関東大震災』日本経済評論社 2004/田中正敬・専修大学関東大震災史研究会編『地域に学ぶ関東大震災』日本経済評論社 2012
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

9/9(月)19:00ー21:00 追悼碑が語るもの

金 哲秀(朝鮮大学校朝鮮問題研究センター 副センター長)

追悼碑には建立された当時の事情と、建立者の様々な思いが込められている。追悼碑建立の経緯と碑文分析を通じて、そこから見えてくる日本人の思想状況について考えてみたい。

●参考文献:山田昭次『関東大震災時の朝鮮人虐殺とその後』創史社 2011/『資料集 朝鮮人犠牲者追悼碑―歴史の真実を深く記憶に』朝鮮人強制連行真相調査団 2018
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

9/28(土)午後【千葉県野田市を訪ねる】 福田村事件・差別意識がもたらすもの

辻野弥生(流山市立博物館友の会 企画編集委員/「ずいひつ流星」主宰)

四国から遠く離れた利根川のほとり(現野田市)で、妊婦を含む香川県出身の行商団9人はなぜ殺されたのか。私たち一人ひとりのなかに潜む差別の根っこについて考えたいと思います。

●主著:『福田村事件 関東大震災 知られざる悲劇』崙書房出版 2013/『呉服屋のお康ちゃん奮戦一代記』新人物往来社 1997
●参考文献:辛淑玉・野中広務『差別と日本人』角川新書 2009/千葉県における追悼・調査実行委員会編『いわれなく殺された人びと』青木書店 1983
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

10/7(月)19:00ー21:00 民衆が加害者になった理由

藤野裕子(東京女子大学 准教授)

朝鮮人虐殺は、関東大震災時だけでなく、より日常的に、労働現場などでも起きていました。それらの実態をふまえ、日本民衆の加害の論理を考えてみたいと思います。

●主著:『都市と暴動の民衆史―東京・1905-1923年』有志舎 2015/『震災・核災害の時代と歴史学』(共著)青木書店 2012

●参考文献:山田昭次『関東大震災時の朝鮮人虐殺とその後―虐殺の国家責任と民衆責任』創史社 2011/藤野裕子「裁判記録にみる一九三二年矢作事件」『公正から問う近代日本史』吉田書店 2019
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺

10/21(月)19:00ー21:00 いま歴史的に残された課題はなんだろう

田中正敬(専修大学文学部 教授)×永田浩三

小池都知事が関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼辞を出さないと表明するなど、昨今は虐殺を否定する動きが顕著です。講座ではその特徴と背景について考えます。

●主著:『地域に学ぶ関東大震災』(共著)日本経済評論社 2012/『学校に思想・良心の自由を―君が代不起立、運動・歴史・思想』(共著)影書房 2016
●参考文献:田中正敬「小池都知事の追悼辞送付取りやめとは何か―関東大震災朝鮮人虐殺をめぐって」『歴史学研究』第968号 2018
05. いま何を語るべきか―関東大震災朝鮮人虐殺