02. ネット上の人権侵害を考える―ヘイトスピーチ・フェイクニュース・ネット炎上

申し込み価格(税込):
26,000


インターネットの普及からおよそ25年、当初は主流メディアに対する「アンチ」であることに可能性を見出していたインターネットも、今やあらゆる人の生活に欠かせない基本的なインフラとなりました。そうした中で、ネット上のヘイトスピーチや差別、ネット炎上や個人に対する集中的な誹謗中傷、ネットデマやフェイクニュースなどの問題に対して、「ネットだから仕方ない」「嫌ならネットを見なければよい」で済ませることは、もはやできません。この講座ではこうした問題に最前線で取り組む講師陣を迎え、「ネットについての知識」と「人権についての知識」の両方をクロスさせながら、さまざまな世代の受講生のみなさんと一緒に、これからの取り組みについて考えていきます。

●2019年6月ー11月
●原則として火曜日 19:00ー21:00
●全8回/定員30名
●受講料 26,000円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。

イメージ写真: cc Blogtrepreneur via Flickr
只今申し込みできません。お問い合わせください。

◆講座コーディネーター

明戸隆浩(東京大学 情報学環特任 助教)
専門は社会学、社会思想、多文化社会論。共著に『奇妙なナショナリズムの時代』、共訳書にエリック・ブライシュ『ヘイトスピーチ』など。レイシズムとヘイトスピーチについて考えるための情報サイトを公開中。
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6/25 ソーシャルメディアのダークサイド

香山リカ(精神科医/立教大学 現代心理学部 教授)

Twitter と Facebook が日本でのサービスを開始しておよそ10年。ソーシャルメディアが人々のコミュニケーションに不可欠な形で入りこむ中で、その「ダークサイド」もさまざまな形で問題化しています。ネットにどっぷり漬かっている人も、苦手意識がある人も、今ふまえておくべき問題を提起します。

●著書:『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』朝日新書 2014/『リベラルですが、何か?』イースト新書 2016
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7/9 ネット中傷被害者からの問題提起

スマイリーキクチ(タレント)

「昔のネットはよかった」ーこうした言葉にうなずく人も、おそらくいるでしょう。しかし実際には、ネット上の人権侵害は最近始まった問題ではありません。ある日突然、いわれのない理由でネット上の匿名の人々から大量の憎悪の言葉を投げつけられる、こうしたことは、残念ながらネットの初期からありました。当事者の貴重な声をふまえて、この問題の「原点」をあらためて確認します。

●著書:『突然、僕は殺人犯にされたーネット中傷被害を受けた10年間』竹書房 2011
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ネット右翼はどこから来たのか

日程変更がありました。7/19(金) 8/27(火) 時間は19:00-21:00のままです。 

伊藤昌亮(成蹊大学 文学部 教授)

もはやすっかり定着した言葉である「ネット右翼」、あるいは「ネトウヨ」。少しでも踏み込んでネットを使う人ならほぼ必ず遭遇するこうした人々は、どこからどのように現れたのか。「ネット上の人権侵害」に対峙するためにこそ必要なこうした問いについて、包括的な検討を行います。

●著書:『奇妙なナショナリズムの時代ー排外主義に抗して 』(共著)山崎望編、岩波書店 2015/『デモのメディア論ー社会運動社会のゆくえ』筑摩書房 2012
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9/10 ネットデマと闘う

籏智広太(BuzzFeed Japan 記者)

ネットにフェイクニュースが横行する中、それに対抗するメディアがいない? いいえ、そんなことはありません。ネットメディア「バズフィード」は、今、ネット上のデマや差別に迅速に対応することで注目されています。今後、こうした試みを増やすにはどうすればいいのか、具体的な記事をもとに考えます。

●参考ウェブサイト:三田評論ONLINE 2018年6月26日掲載 「【特集:変わるメディアとジャーナリズム】座談会:ニュースの今、そして、これから」八田亮一×荻上チキ×津田正太郎×籏智広太×山腰修三
02. ネット上の人権侵害を考える―ヘイトスピーチ・フェイクニュース・ネット炎上

9/24 ネット差別の実態をどう把握するか

高 史明(心理学者/神奈川大学 人間科学部 非常勤講師)

ネットにヘイトや差別があふれていることは意識してネットを見ればすぐにわかることですが、それをどう「客観的」に示すのかは、意外と難しい問題です。第一線の研究者から、実態把握の方法を学びます。

著書:『ネット上の部落差別と今後の課題ー「部落差別解消推進法」をふまえて』(共著) 部落解放・人権研究所 2018/『レイシズムを解剖するーー在日コリアンへの偏見とインターネット』勁草書房 2015
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11/5 ネット社会のリテラシー

佐藤佳弘((株)情報文化総合研究所 代表取締役/武蔵野大学 名誉教授)

「ネット」と「人権」をクロスさせて考えること。これは現代社会の喫緊の課題であると同時に、これからのサイバースペースにおいて「よき市民」であるために必要な、ネット社会のリテラシーでもあります。それは具体的にどのようなものなのか、そこで重要となるポイントを整理します。

●著書:『インターネットと人権侵害(匿名の誹謗中傷 〜その現状と対策)』武蔵野大学出版会 2016/『情報化社会の歩き方ー危険回避のガイドブック』ミネルヴァ書房 2010
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