05. グローバル企業を規制する―市民・地域・自治体のチカラ

05. グローバル企業を規制する―市民・地域・自治体のチカラ

申し込み価格(税込):
32,000


世界中にサプライ・チェーンをつくり、自由な投資や経済活動を展開するグローバル企業。中には一国の政府の年間予算をはるかに超える売上を持つ企業もあります。一方、タックス・ヘイブン(租税回避)や、途上国の環境破壊や人権侵害を引き起こす投資、また貿易交渉での強力なロビイ活動やメディアの支配など、グローバル企業の問題点は国際市民社会から批判されています。利潤追求は企業の原理ですが、環境や人権、人びとの暮らしを犠牲にしつつ得る行きすぎた利潤は、何らかの法やルールの下で規制されるべきだと言えるでしょう。このクラスでは、世界の様々な国や地域で始まっている取り組み、特に条例や法律・規制、条約によって企業の行動を正す事例を学びます。「自由貿易 vs 保護主義」という二項対立から抜け、生活基盤としてのコミュニティにとって必要なルールをつくり、持続可能な社会を構築するために何が必要なのか、グローバル企業の巧罪をふまえつつ、日本でも実践できることを皆さんで考えましょう。

●2018年6月-11月 
●隔週金曜日 19:00-21:00
●全10回/定員30名  
●受講料:32,000円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。
数量:

<6/22>グローバル企業はなぜ巨大化してきたのか──米国の通商戦略と自由貿易協定の現在

所 康弘(明治大学商学部 准教授)

米国の1980年代以降の通商戦略の過程を振りかえりつつ、そもそもNAFTAとは何か? トランプ政権はNAFTAのどこを問題にしているのか? NAFTAと多国籍企業の関係とは? をみていきます。

◎主著:『米州の貿易・開発と地域統合─新自由主義とポスト新自由主義を巡る相克』法律文化社 2017/『北米地域統合と途上国経済─NAFTA・多国籍企業・地域経済』西田書店 2009 ◎参考文献:金成隆一『ルポ トランプ王国─もう一つのアメリカを行く』岩波新書 2017/ J.D. ヴァンス著、関根光宏・山田文訳『ヒルビリー・エレジー─アメリカの繁栄から取り残された白人たち』光文社 2017
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<7/6>化石燃料、原発、武器製造からの投資撤退(ダイベストメント)──何が企業の行動原理を変えているのか

夫馬賢治(株式会社ニューラル 代表取締役社長)

欧米中心に、以前は反目していた投資家とNGOが連携し、企業に長期経営を迫る動きが出てきています。その一つの例が化石燃料ダイベストメントです。ダイベストメントを理解するためには、金融と環境の双方を理解する必要があります。立場の異なる投資家とNGOはどのように連携できているのか。海外の事例をもとに、日本への示唆を探っていきます。

◎参考ウェブサイト:株式会社ニューラル 
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<7/20>水道民営化から再公営化を勝ち取った地域の力──パリ、スペイン、ジャカルタの事例から

岸本聡子(トランスナショナル研究所 経済的公正とオルタナティブ プログラムコーディネーター)

生活に必須である水道サービス。世界では1990年代以降、先進国・途上国を問わず民営化が進んできました。しかしこの10年で、住民が地方議会を動かした末「再公営化」される自治体が急増中。その理由と具体的取り組みをお話します。イタリア・トリノ市やスペイン・バルセロナ市など最新情報もお伝えします。

◎主著:"Reclaiming Public Services:How cities and citizens are turning back privatization" June 2017, Transnational Institute、日本語版抄訳レポート『公共サービスを取り戻す:民営化に自治体、市民がいかに立ち向かったか』◎参考文献:トランスナショナル研究所、コーポレートヨーロッパオブザーバトリー編集、佐久間智子訳『世界の〈水道民営化〉の実態─新たな公共水道をめざして』作品社 2007
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<8/3>“ギグエコノミー”の正体──公正な社会のために

川上資人(弁護士/交通の安全と労働を考える市民会議/日本労働弁護団/東京共同法律事務所)

政府は、「シェアリングエコノミー」という名の下に、副業・兼業を推奨し、雇用によらない働き方を推進しようとしています。しかし、海外ではその労働実態について「まったくシェアではない」という指摘がなされ、ギグエコノミーなどと呼ばれています。ICT(情報通信技術)により働き方が多様化する中、公正な社会の実現のために何が必要なのか、皆様とともに考えられればと思います。

◎参考文献:川上資人「『ライドシェア』問題とは何か」(『季刊・労働者の権利』317号(2016年10月発行)日本労働弁護団/川上資人「ウーバーイーツの労働実態について」(『季刊・労働者の権利』322号(2018年1月発行)/週刊金曜日2018年2月2日号(第1170号)特集「シェアリングエコノミー その裏で起きていること」
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<9/7>市民民主主義をすすめるソウル市と韓国社会運動

白石 孝(特定非営利活動法人 官製ワーキングプア研究会 理事長)

市民、個人・小零細企業、協働自治に根ざした政治、経済、労働政策について、そして市民民主主義を自治体でどう実施しているかをお話します。さらに、人権思想に貫かれた政策の一貫性について、具体例を紹介しながらお話します。

◎主著:『止めよう!アベノリスク─市民監視五本の矢』(共著)樹花舎2016/『なくそう!官製ワーキングプア』(共著)日本評論社 2010 ◎参考文献:白石孝『ソウルの市民民主主義─日本の政治を変えるために』コモンズ 2018
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<9/21>種子を巡る攻防──北海道など地域と世界の動きを追って

久田徳二(ジャーナリスト/元北海道新聞 編集委員/北海道大学 客員教授)

UPOV条約-遺伝資源条約-種子法廃止の位置関係。代替法や条例の意義。農家の権利はく奪とそれへの抵抗。「食料主権」「持続可能型社会」の視点から考えます。

◎主著:『北海道の守り方─グローバリゼーションという〈経済戦争〉に抗する10の戦略』(編著)寿郎社 2015/『トランプ新政権とメガ協定の行方』北海道農業ジャーナリストの会 2017 ◎参考文献:西川芳昭『種子が消えれば あなたも消える─共有か独占か』コモンズ 2017/野口勲『タネが危ない』日本経済新聞出版社 2011
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<10/5>ビジネスに人権をどう埋め込むか──企業の行動を変えるために市民社会ができること

高橋宗瑠(Business & Human Rights Resource Centre〈ビジネス・人権資料センター〉 日本代表)

企業が尊重しなければならない「人権」とは?それは、いわゆるCSRとどう違うのか? 国際的なトレンドを考えなから、市民社会に何ができるのかを考えたいと思います。

◎主著:『パレスチナ人は苦しみ続ける─なぜ国連は解決できないのか』現代人文社 2015 ◎監訳書:マイケル・フリーマン著『コンセプトとしての人権─その多角的考察』現代人文社 2016 ◎参考文献:『ビジネスと人権に関する指導原則』ヒューライツ大阪作成和訳 2011 
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<10/19>企業vs国家の巨額裁判!?──投資家対国家紛争メカニズム(ISDS)への抵抗と対案

内田聖子(PARC 共同代表) 

貿易や投資の自由化が進む中、企業が国家を提訴できるISDSが途上国・先進国問わず脅威となっています。TPPなど多くの協定に含まれるISDSを国際市民社会は「民主主義を脅かす大企業のための不公正なツール」と批判、その撤廃を求め、EUやインド、中国は代替案を提示しています。国の法的主権外でなされる「裁判」の問題点と、環境や人権、貧困などの課題と市場経済の相克を考えます。

◎主著:『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(共編著)コモンズ2017/『徹底解剖 国家戦略特区 私たちの暮らしはどうなる?』(共編著)コモンズ 2014
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<11/16(予定)>暴走するマネー資本主義を規制する──グローバル・タックスの可能性

上村雄彦(横浜市立大学学術院国際総合科学群 教授)

巨大化する多国籍企業の陰には、タックス・ヘイブン(租税回避)があります。大企業が得る富にグローバル・タックスをかけ、地球規模の貧困削減や環境問題の解決の資金に充てることがすでに国際的に検討されています。主に欧州での様々な取り組みをご紹介いただきます。

◎主著:『不平等をめぐる戦争─グローバル税制は可能か』集英社新書2016/『世界の富を再分配する30の方法─グローバル・タックスが世界を変える』(編著)合同出版 2016 ◎参考文献:上村雄彦『グローバル・タックスの可能性─持続可能な福祉社会のガヴァナンスをめざして』ミネルヴァ書房 2009/志賀櫻『タックス・ヘイブン─逃げていく税金』岩波新書 2013
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<11/30>日本の自治体でできること──地域振興条例、公契約条例で地域を活性化する

岡田知弘(京都大学大学院経済学研究科 教授) 

グローバリズムの嵐のなかで、地域の中小企業や農家を第一にした地域経済政策を行う自治体が増えています。その歴史的意義と展望を考えてみたいと思います。

◎主著:『地域づくりの経済学入門─地域内再投資力論』自治体研究社
2005/『入門 現代日本の経済政策』(共編著)法律文化社 2016
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