03. 沖縄を見つめる-森口豁・映像の世界と基地・独立・自治

03. 沖縄を見つめる-森口豁・映像の世界と基地・独立・自治

申し込み価格(税込):
36,000


「本土復帰」から46年。高江や辺野古での米軍基地・施設の建設強硬に見られるように、「本土」と「沖縄」の力の不均衡はますます大きなものになっています。東京で生まれ育った森口豁さんは、1959年、22歳のとき、カメラを手に那覇に移り住み、「本土の人に本当の沖縄を伝えたい」と、琉球新報の記者としての活動を始めました。その後、日本テレビの特派員となり、米軍支配下の沖縄の人びとの姿をドキュメンタリーで伝え続け、1990年に退社するまで、沖縄をテーマとした28本の作品を制作し、さまざまな立場の人の視線から沖縄の苦悩を伝え続けました。そして、80歳になる現在も沖縄と出会った頃の初志を忘れていません。ひとりのカメラマンが見つめた貴重な映像記録を、森口さんの熱き語りとともにたどります。

本講座は昨年度大好評いただいた「森口豁・沖縄を見つめる映像の世界」講座の続編であり、加えて一般メディアでは伝えられない沖縄の現状をゲスト講師に語っていただき、私たちがそれにどう向き合うかを話し合っていきます。基地引取り運動や琉球独立論などの賛否が分かれる論争的テーマも、取り上げていきます。今回取り上げる番組は、コザ暴動直後の『かたき土を破りて』、知花弾薬庫の化学兵器問題を取り上げた『毒ガスは去ったが』、八重山群島の苦悩を描いた『島ちゃび結歌(ユンタ)』、若き金城実を追った『広場の戦争展』、復
帰から10年目の検証『さとうきびの花咲く島』など。森口さんの熱い語りは健在です。沖縄の問題を「他人事」ではなく「自分事」として考えていきませんか?

●2018年5月-10月
●原則として水曜日 19:00-21:00
●全10回/定員30名
●受講料 36,000円





※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。
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講師&コーディネーター


森口 豁(ジャーナリスト)

〈沖縄〉を知ることは〈日本〉を知ること─。これはこの60年、ずっと変わらぬ僕の信念です。カメラマンとして、ディレクターとして記録し続けた自作ドキュメンタリーをテキストに〈オキナワ〉を語り合いたい。

1937年東京生まれ。59年、玉川大学を中退し米軍政下の沖縄に移住。琉球新報記者や日本テレビ「特派員」として活躍。東京転勤後も沖縄に通い続け、ドキュメンタリー番組28本を製作。『ひめゆり戦史 いま問う国家と教育』などで第17回テレビ大賞優秀個人賞などを受賞。過疎と抗う鳩間島のルポ『子乞い─沖縄孤島の歳月』は連続テレビドラマ「瑠璃の島」にもなった。「沖縄を語る一人の会」代表。

◎主著:『だれも沖縄を知らない─27の島の物語』筑摩書房 2005/『子乞い─沖縄孤島の歳月』凱風社 2000


永田浩三(武蔵大学 教授/ジャーナリスト)

森口豁さんほど、沖縄にこだわり続けてきたドキュメンタリストはいません。本土復帰以前からの珠玉の作品を一堂に揃え、作り手としての思いを存分に語っていただく空前の企画です。この機会に、沖縄に強いてきたものは何かを改めて考えてみませんか。

1954年大阪生まれ。1977年NHK入社。ディレクターとして教養・ドキュメンタリー番組を担当。プロデューサーとして『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』『ETV2001』等を制作。2009年から武蔵大学社会学部教授。「表現の不自由展」共同代表。映画『60万回のトライ』共同プロデューサー。

◎主著;『ヒロシマを伝える─詩画人・四國五郎と原爆の表現者たち』WAVE出版 2016 /『奄美の奇跡』WAVE出版 2015

<5/30>森口さんの映像とお話し(1) 『かたき土を破りて』

1970年12月、交通事故を起こした米兵の扱いをめぐってコザの市民の怒りが爆発した。コザ暴動である。沖縄にとって米軍基地とはどんな存在なのか。平穏な暮ら
しはいつになったらやってくるのか。米軍基地で働く労働者の闘いを記録した映像も参考にしながら考える。

<6/13>基地引き取り論を考える

ゲスト講師:高橋哲哉(東京大学大学院総合文化研究科教授)

沖縄の基地の「本土」への引き取りを主張する思想と運動は、何を根拠に、何をめざしているのでしょうか。様々な疑問や異論に向き合いながら、明らかにできればと思います。

◎主著:『沖縄の米軍基地─「県外移設」を考える』集英社新書 2015/『犠牲のシステム 福島・沖縄』集英社新書 2012 ◎参考文献:野村浩也『無意識の植民地主義─日本人の米軍基地と沖縄人』御茶の水書房 2005/知念ウシ『シランフーナー(知らんふり)の暴力─知念ウシ政治発言集』未来社 2013
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<6/27>森口さんの映像とお話し(2) 『毒ガスは去ったが…』

1969年、知花弾薬庫から、殺人兵器である毒ガスが漏れ出し、県民を恐怖に陥れた。2年後の移送作業で、こんなにも大量の化学兵器が持ち込まれていたことに、住民は驚いた。60年代の核兵器配備の問題も含めて考える。

<7/11>かつては保守本流も沖縄の側に立った

ゲスト講師:田中秀征(福山大学経済学部客員教授/元経済企画庁長官)

現在の日本政府の姿勢と異なり、かつての保守本流は沖縄の側に立っていたように見えます。〈かつて〉と〈今〉の間に何があり、今後の展望はいかなるものかお話しいただきます。

◎主著:『保守再生の好機』ロッキング オン 2015/『私の「戦後民主主義」』(共著)岩波書店 2016

<7/28(土)午後> 森口さんの映像とお話(3) 『島ちゃび結歌・沖縄八重間からの報告』

「島ちゃび」とは離島で生きる痛みのこと。「ゆんた」とは農作業などをしながら掛け合いで歌うこと。長い間搾取と差別にあえいできた八重山は。本土復帰後、島の苦しみに追い打ちをかけたのは、物価の高騰と美しい海岸線が観光業者に買い占められる乱開発であった。

<8/29>森口さんの映像とお話し(4) 『さとうきびの花咲く島・沖縄この10 年』

沖縄は本土復帰によってどう変わったのか、新たな琉球処分ではなかったか、森口豁のリポートによる番組。かつて嘉手納村長として基地と厳しく向き合った古謝得善氏は、沖縄県出納長として口を濁すのだった。今日の辺野古新基地建設問題についても考える。

<9/12>琉球独立論のリアリティ

ゲスト講師:松島泰勝(龍谷大学経済学部教授)

スコットランド、カタルーニャに見られるように世界において独立運動は現実的な課題となっている。それは琉球も同じである。琉球独立論の歴史的背景、国際法上の根拠、政治経済的な可能性、琉球アイデンティティと独立との関係等、多角的な視点から琉球独立論をリアリティを検証してみたい。

◎主著:『琉球独立論』バジリコ 2014/『琉球独立宣言』講談社文庫2015 ◎参考文献:松島泰勝『琉球独立への道─植民地主義に抗う琉球ナショナリズム』法律文化社 2012/松島泰勝『琉球独立への経済学─内発的発展と自己決定権による独立』法律文化社 2016
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<9/26>森口さんの映像とお話し(5) 『広場の戦争展・ある「在日沖縄人」の痛恨行脚』

彫刻家・金城実は当時41歳。日本人である前に沖縄人でありたいと言う。「戦争と人間」という巨大なレリーフを展示する全国行脚を続けていた。沖縄のひとびとの願いとはなにか。本土復帰によってそれは実現できたのか。いま再び語られ始めた「琉球独立論」も含め、金城実の闘いを考える。

<10/11(木)>若者の保守化とそれをどう乗り越えるか

ゲスト講師:佐藤 学(沖縄国際大学法学部教授)

日本社会に共通の「若者の保守化」が、沖縄でも進行しています。その帰結は、とりわけ沖縄の将来に悪い影響を及ぼすでしょう。学生相手の日々の悪戦苦闘を材料に、御一緒に考えたいと思います。

◎主著:『沖縄の基地の間違ったうわさ 検証34個の疑問』(共著)岩波書店 2017/『沖縄が問う日本の安全保障』(共著)岩波書店 2015 ◎参考ウェブサイト:「それってどうなの? 沖縄の基地の話。
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<10/27(土)午後>森口さんの映像とお話し(6) 『ベラウの母は見た! 沖縄・水俣の8日間』

アジア・太平洋戦争を挟んで大国支配が続いたミクロネシアのパラオ諸島は、1981年1月「非核憲法」をかかげて独立に踏み出した。しかし、アメリカからは核基地を、日本からは石油コンビナート建設の受け入れを迫られることとなった。人口1万2000人の太平洋の島国、ベラウ共和国のからやってきた3人の女性の「日本学びの旅」から見えてきたニッポンとは……。