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05. まぼろしの「日本的家族」
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05. まぼろしの「日本的家族」

申し込み価格(税込):
28,000


どうも最近、政治家が勝手な「家族」モデルをおしつけてくると思いませんか?
 2012年4月に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」では、家庭生活における個人の尊厳と両性の平等を謳う第24条の改悪が大きな軸として掲げられています。さらにこの改憲機運をすすめるために、2015年に結成された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」もまた、「戦後の憲法によって、日本の伝統的家族は破壊された」と訴え、「国民の共同体としての国家」「共同体としての家族」、ひいては「家族国家」の理念を復活させ、憲法に盛り込むことを主張しています。彼らのいう「家族」の理想像は「サザエさん」一家であったり、「同じ屋根の下で家族みんなで食事をすること」などなどのようです。そうした日本の「伝統的家族」のすばらしさを取り戻し、家族を国家の基礎単位として位置づけるために、改憲が必要なのだと言うのです。しかし、そんな「家族」モデルを勝手に発明すんなよ!……と、思ってしまうわけですね。
 この講座では、安倍政権をはじめとする改憲潮流が想定する幻想的な「家族」像をさまざまな角度から検討し、どうしてそんなに「家族!」「家族!」と叫ぶのかについて、考えていきたいと思います。

●2017年6月-11月 
●原則として金曜日 19:00-21:00 
●全8回/定員30名  
●受講料:28,000円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。

(イメージ写真) CC : mrhayata via Flickr
数量:

講師&コーディネーター:早川タダノリ(編集者)

国民統合の技術としての各種イデオロギーに関心を持ち、戦前・戦時の大衆雑誌や政府によるプロパガンダ類をはじめ、原発推進関連紙くず、現代の「日本スゴイ」本や保守系セクトの書籍・機関誌、コンビニ売りの恥ずかしいムックなどを蒐集。

◎主著:『神国日本のトンデモ決戦生活─広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか』合同出版 2010/『神国日本のトンデモ決戦生活』ちくま文庫 2014/『「日本スゴイ」のディストピア─戦時下自画自賛の系譜』青弓社 2016
05. まぼろしの「日本的家族」

<6/2> おんなたちの「人生相談」 リアル「家」制度のすさまじさ

早川タダノリ(編集者)

戦前の旧民法下における「家」制度は、現代に生きる私たちにとっては遠い過去のものとなってしまったかのようですが、婦人雑誌の投書欄に残る当時の女性たちの人生相談を通じて、現在との違いと共通するものを読み解いていきます。

<6/19 (月)>「美しい日本」の「美しい家族」 右派の世界観のなかの「家族」

能川元一(神戸学院大学ほか 非常勤講師)

憲法24条改憲論など「家族」に関わる右派の主張と運動が、彼らの世界観のなかでどのように他の主張、運動と結びついているのかを明らかにしたいと思います。

◎主著:『憎悪の広告―右派系オピニオン誌「愛国」「嫌中・嫌韓」の系譜』(共著)合同出版 2015/『海を渡る「慰安婦」問題─右派の「歴史戦」を問う』(共著)岩波書店 2016 ◎参考文献:塚田穂高(編著)『徹底検証 日本の右傾化』筑摩選書 2017/山口智美、斉藤正美、荻上チキ『社会運動の戸惑い─フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』勁草書房 2012
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<7/14> 「官製婚活」と家族像

斉藤正美(富山大学 非常勤講師)

国や自治体が「少子化対策」や「一億総活躍」という名目で「婚活支援」政策(「官製婚活」)を行なっています。その「官製婚活」が、我々を一定の家族像に誘導するとは…?

◎主著:『社会運動の戸惑い―フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(共著)勁草書房 2012/『徹底検証 日本の右傾化』(共著)筑摩選書 2017 ◎参考文献:斉藤正美「家族に介入する国家」『週刊金曜日』2017年1月27日号/塚田穂高(編著)『徹底検証 日本の右傾化』筑摩選書 2017
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<8/4>「女性活躍」と家族 〈配偶者特別控除〉から見えるもの

竹信三恵子(ジャーナリスト/和光大学 教授)

女性管理職がオフィスでキラキラ輝くイメージをふりまく「女性活躍」政策の裏にある、女性の二重負担の強化作戦を配偶者控除問題から読み解きます。

◎主著:『家事労働ハラスメント─生きづらさの根にあるもの』岩波新書 2013/『正社員消滅』朝日新書 2017 ◎参考文献:竹信三恵子『女性を活用する国、しない国』岩波書店 2009/竹信三恵子『家事労働ハラスメント―生きづらさの根にあるもの』岩波新書 2013
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<9/8> 誘導される家族像 「親学」と「3世代同居税制」をつなぐもの

堀内京子(朝日新聞社 記者)

憲法改正だけを気にしていて大丈夫?「親学」と「家庭教育支援法」、「3世代同居税制」と「夫婦控除」。4つのキーワードがどう関連しているのかお話ししたいと思います。

◎主著:「現実無視のイデオロギーが税制歪める 首相指示により『3世代同居』前面へ」『月刊ジャーナリズム』2016年5月号/『徹底検証 日本の右傾化』(共著)筑摩選書 2017 ◎参考文献:菅野 完『日本会議の研究』扶桑社 2016/塚田穂高(編著)『徹底検証 日本の右傾化』筑摩選書 2017
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<9/29> 動員される母親たち 「家庭教育」の過去と現在

奥村典子(聖徳大学児童学部児童学科 准教授)

戦時下に推し進められた母親の教化・組織化を目的とする家庭教育振興政策とは何であったのか。その特質を踏まえ、今日の「家庭教育」をめぐる施策の動向について考えます。

◎主著:『動員される母親たち─戦時下における家庭教育振興政策』六花出版 2014 ◎参考文献:寺埼昌男、戦時下教育研究会(編)『総力戦体制と教育─皇国民「錬成」の理念と実践』東京大学出版会 1987
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<10/20> さまざまな「結婚」のかたち 法律婚・家族単一姓単国籍の枠組みを超えて

りむよんみ(武蔵大学社会学部社会学科 准教授)※2017年4月より

在日コリアンと日本人の結婚家族は、名前と国籍の選択をめぐる制度上の制約に直面します。こうした「結婚」のかたちを通じて、逆に、日本人同士の結婚制度の不自由さが見えてきます。

◎主著:『Diaspora without Homeland: Being Koreans in Japan』(共著)University of California Press 2009 ◎参考文献:りむよんみ『在日コリアンと日本人の婚姻の半世紀』(仮)合同出版(刊行予定)
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<11/10> 憲法24条改悪と「家族」のゆくえ

角田由紀子(弁護士)

憲法改正問題は、9条だけではありません。9条改正と切り離せないのが24条であり、13条です。「家族」という一見親しみのあるテーマですが、それゆえになぜそれが改正の重要なテーマになるのかを知る必要があります。「家族」は、私たちの個人としての生き方とどのように関係があるのか、きちんと考えてみたいですね。

◎主著:『性と法律─変わったこと、変えたいこと』岩波新書 2013/『性暴力被害の実態と刑事裁判』(共著)信山社 2015 ◎参考文献:辻村みよ子『憲法と家族』日本加除出版 2016
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