<6/23>ISを作りだしたのは誰か―テロの温床となる差別、偏見、貧困
塩尻和子(東京国際大学国際交流研究所長/筑波大学 名誉教授)
最近の世界の動きには、歴史の変換を感じさせるものがあります。そのなかでも、とくに中東・イスラーム世界の混乱は大きな問題となっています。この地域の紛争の要因に宗教(イスラーム)があげられることが多いのですが、紛争は政治的なもので、決して宗教が原因ではありません。この点を理解していただくためにも、「ISを作ったのは誰か」というテーマでお話しをいたします。中東・イスラーム世界の問題について、イスラームを客観的に理解し、宗教間対話を目指すことが紛争を解決する道であることを、知ってほしいと思います。
●主著:『イスラームの人間観・世界観―宗教思想の深淵へ』筑波大学出版会 2008/『イスラームを学ぼう―実りある宗教間対話のために』秋山書店 2007
●参考文献:塩尻和子『イスラームを学ぶ――伝統と変化の21世紀』NHK出版 2015/アブドルバーリ・アトワーン『イスラーム国』(春日雄宇訳・中田考監訳)集英社 2015
最近の世界の動きには、歴史の変換を感じさせるものがあります。そのなかでも、とくに中東・イスラーム世界の混乱は大きな問題となっています。この地域の紛争の要因に宗教(イスラーム)があげられることが多いのですが、紛争は政治的なもので、決して宗教が原因ではありません。この点を理解していただくためにも、「ISを作ったのは誰か」というテーマでお話しをいたします。中東・イスラーム世界の問題について、イスラームを客観的に理解し、宗教間対話を目指すことが紛争を解決する道であることを、知ってほしいと思います。
●主著:『イスラームの人間観・世界観―宗教思想の深淵へ』筑波大学出版会 2008/『イスラームを学ぼう―実りある宗教間対話のために』秋山書店 2007
●参考文献:塩尻和子『イスラームを学ぶ――伝統と変化の21世紀』NHK出版 2015/アブドルバーリ・アトワーン『イスラーム国』(春日雄宇訳・中田考監訳)集英社 2015

<6/30>「テロ」と「戦争」が地続きの世界─日本にもその危機が?
首藤信彦(元衆議院議員/国際政治学者/市民政治バンド)
テロリズムは病気による「熱」のようなものだ。病因の把握なしに解熱剤を投与すれば、病気を深刻化させる。世界の病巣と病因、発現形態としてのテロリズムを説明する。
●主著:『現代のテロリズム』岩波書店 2001
●参考文献:ファザーリ・M・モハダム編『テロリズムを理解するー社会心理学からのアプローチー』ナカニシヤ出版 2008
テロリズムは病気による「熱」のようなものだ。病因の把握なしに解熱剤を投与すれば、病気を深刻化させる。世界の病巣と病因、発現形態としてのテロリズムを説明する。
●主著:『現代のテロリズム』岩波書店 2001
●参考文献:ファザーリ・M・モハダム編『テロリズムを理解するー社会心理学からのアプローチー』ナカニシヤ出版 2008

<7/14>「積極的平和外交」は人道支援NGOの活動を危険にさらす
谷山博史(日本国際ボランティアセンター(JVC)代表理事/「NGO非戦ネット」呼びかけ人)
紛争地で活動する国連職員やNGOのために、自衛隊員による「駆け付け警護」が行われようとしています。
武器を用いた警護によって戦闘行為が行われれば、これまで人道支援活動を続けてきたNGOも紛争当事者とみなされ、武装勢力の格好のターゲットになるのです。
紛争地の現実をよく知るNGOの立場から、この「駆けつけ警護」の危険性についてお話します。
●主著:『「積極的平和主義」は、紛争地になにをもたらすか?!: NGOからの警鐘』合同出版 2015/『NGOの選択?グローバリゼーションと対テロ戦争の時代に』(共著)めこん 2005
紛争地で活動する国連職員やNGOのために、自衛隊員による「駆け付け警護」が行われようとしています。
武器を用いた警護によって戦闘行為が行われれば、これまで人道支援活動を続けてきたNGOも紛争当事者とみなされ、武装勢力の格好のターゲットになるのです。
紛争地の現実をよく知るNGOの立場から、この「駆けつけ警護」の危険性についてお話します。
●主著:『「積極的平和主義」は、紛争地になにをもたらすか?!: NGOからの警鐘』合同出版 2015/『NGOの選択?グローバリゼーションと対テロ戦争の時代に』(共著)めこん 2005

<7/21>アフリカ中央部における紛争と国連PKO:なぜ自衛隊は南スーダンに派遣されたのか
米川正子(立教大学21世紀社会デザイン研究科 特任准教授)
アフリカの紛争や政治を理解するためには、これまで教えられてきた「常識」を壊すことが時折必要です。「そもそも論」やマクロの視点から、そして批判的に考えましょう。
●主著:
『世界最悪の紛争「コンゴ」―平和以外に何でもある国―』創成社 2010
『ルワンダ・ジェノサイド 生存者の証言 憎しみから赦しと和解へ』米川正子訳 立教大学出版会&有斐閣 2015
●参考文献:
米川正子「国連PKOは平和の創出に役立っているのでしょうか」(日本平和学会「安保法制100の論点」)/ 国際シンポジウム報告書「なぜアフリカ紛争が長期化するのか?―大国の役割の観点から考える」(主催:立教大学、明治大学、国際大学 国際協力人材育成プログラム)
アフリカの紛争や政治を理解するためには、これまで教えられてきた「常識」を壊すことが時折必要です。「そもそも論」やマクロの視点から、そして批判的に考えましょう。
●主著:
『世界最悪の紛争「コンゴ」―平和以外に何でもある国―』創成社 2010
『ルワンダ・ジェノサイド 生存者の証言 憎しみから赦しと和解へ』米川正子訳 立教大学出版会&有斐閣 2015
●参考文献:
米川正子「国連PKOは平和の創出に役立っているのでしょうか」(日本平和学会「安保法制100の論点」)/ 国際シンポジウム報告書「なぜアフリカ紛争が長期化するのか?―大国の役割の観点から考える」(主催:立教大学、明治大学、国際大学 国際協力人材育成プログラム)

<9/15>自衛官から共産党市議になりました―私にとっての「自衛官」という仕事
井上圭一(土浦市議会議員)
昨年の憲法解釈によって、自衛隊の役割が今までとは大きく変わろうとしています。「守る」仕事から「他国の戦争に参加する」仕事への転換です。現場の自衛官はこのことをどのように捉えているのでしょうか。改めて「自衛官」という仕事について考えてみましょう。
●主著:『自衛官が共産党市議になった』かもがわ出版 2015
昨年の憲法解釈によって、自衛隊の役割が今までとは大きく変わろうとしています。「守る」仕事から「他国の戦争に参加する」仕事への転換です。現場の自衛官はこのことをどのように捉えているのでしょうか。改めて「自衛官」という仕事について考えてみましょう。
●主著:『自衛官が共産党市議になった』かもがわ出版 2015

<9/29> 自衛隊を活かし、平和を創る
伊勢崎賢治(東京外国語大学地域文化研究科教授)
9条下の日本は特措法で集団的自衛権の行使を繰り返し、ジブチに戦略軍事拠点を築くまでになった。反戦のシュプレヒコールは簡単。国民にその感覚なき戦争は真に恐ろしい。
●主著:『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』毎日新聞出版 2015
『本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る』朝日出版社 2015
9条下の日本は特措法で集団的自衛権の行使を繰り返し、ジブチに戦略軍事拠点を築くまでになった。反戦のシュプレヒコールは簡単。国民にその感覚なき戦争は真に恐ろしい。
●主著:『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』毎日新聞出版 2015
『本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る』朝日出版社 2015

(日程調整中) 日本は米国の「属国」でいいんですか
※ゲスト調整中
安倍首相の靖国参拝の折、オバマ大統領は「失望した(disappointed)」という表現を用いました。主権国家間の外交のやり取りにもかかわらず、主従関係を匂わす表現が公然と使われているのです。軍事・経済政策もますます従米の色が濃くなる一方。「属国日本」の今後を考えます。
<10/27>海外から見たアベ・アンポ・メディア
ピオ・デミリア(日本外国特派員協会 元副会長/公益社団法人自由報道協会 理事)
昨今の日本の大手メディアの報道は、権力者の言論をことさらに強調する傾向にあります。一方、生活に直接影響を与えるような政策については秘密主義が貫かれ、重要度の高い情報ですら市民に行き届かなくなってきました。こうした報道や戦後安全保障政策の急激な転換は海外でどのように受け止められているのでしょうか。
●主著:『日本の問題: イタリア人記者・ピオが地震、ツナミ、放射能汚染の「現場」で見たもの』幻冬舎 2011
昨今の日本の大手メディアの報道は、権力者の言論をことさらに強調する傾向にあります。一方、生活に直接影響を与えるような政策については秘密主義が貫かれ、重要度の高い情報ですら市民に行き届かなくなってきました。こうした報道や戦後安全保障政策の急激な転換は海外でどのように受け止められているのでしょうか。
●主著:『日本の問題: イタリア人記者・ピオが地震、ツナミ、放射能汚染の「現場」で見たもの』幻冬舎 2011

<11/10(予定)>安保法制をどう廃案に追い込むか―政治の課題
福山哲郎(民主党参議院議員)
小池 晃(日本共産党参議院議員)
「最悪のシナリオ」を現実にしないために、これからどう動くか。私たちはイデオロギーの違いや政策の対立を越え、民主主義のために団結することができるのでしょうか。
<11/24>私たちが考える自由・民主主義・デモ
元山仁士郎(SEALDs RYUKYU)
●主著:元山仁士郎『あきらめることを あきらめた ―71年目のデモクラシー―』かもがわ出版 2016年4月出版予定
●参考文献:SEALDs編『民主主義ってこれだ』大月出版 2015
杉田 敦(法政大学教授)
「数こそが正義」という考え方がじわりと広がっています。そうした声に支えられ、「暴走した民主主義」が走りはじめてしまいました。私たちはその歯止めとなれるのでしょうか。生活者の声を政治に反映させる、これからの市民運動について考えます。
●著書:杉田 敦『権力論』岩波現代文庫 2015/杉田 敦『境界線の政治学 増補版』岩波現代文庫 2015
●参考文献:杉田 敦『政治的思考』岩波新書 2013