05. 歌う昭和史 ―流行歌でたどる日本社会の歩み

申し込み価格(税込):
32,000


ポピュラー・ソング(流行歌)は不特定多数の人びとに向けて作られ、多くの人に聴かれ、口ずさまれます。ヒット曲は人びとの意識/無意識、社会の姿や時代の変化を映し出します。日本では昭和の初め、大手レコード会社の設立とともに本格的なポピュラー・ソングの時代が始まり、昭和時代を通じて流行歌文化が大きく広がりました。そうした昭和のヒット曲を通して、日本人の感性と意識、社会と文化の変化をとらえなおし、そこから私たちを取り巻く現在の社会・文化状況について考えます。音楽の専門的な知識は不要です。歌を手がかりに、日本の近現代をめぐって自由な議論を展開してゆきましょう。


◆講師&コーディネーター: 松村 洋(音楽評論家/大学非常勤講師) 

◎プロフィール:1952年生まれ。狭義の音楽評論だけでなく、ポピュラー音楽を手がかりにした社会論、社会史を目指してきた。考察対象はポピュラー音楽全般だが、とくに沖縄の音楽と社会、タイを中心とした東南アジアのポピュラー音楽と社会、流行歌を通して見た日本近現代史研究に力を入れている。

●主著:『日本鉄道歌謡史』(全2巻)みすず書房 2015/『唄に聴く沖縄』白水社 2002/『アジア歌街道』新書館 1999

●論考:「〈民謡〉から流行歌へ-タイのラムウォン歌を中心に」細川周平編著『民謡からみた世界音楽』ミネルヴァ書房 2012所収
●2016年6月 - 11月 
●原則として水曜日 19:00-21:00 
●全9回/定員30名  ●受講料:32,000円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。

(イメージ写真) CC: Roger W. via Flickr
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<6/1>ジャズソングと都市大衆文化

大正末―昭和初期、都市では大衆消費文化が伸張します。榎本健一、二村定一、川畑文子らの“ジャズソング”を通して、この時代の“モダン”について考えます。

写真: 榎本健一「唄うエノケン大全集 蘇る戦前録音編」(ユニバーサルミュージック合同会社)
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<6/15>歌の中の大陸と南洋

中国風の“大陸メロディ”や“南洋”を題材にした流行歌を通して、昭和初期の日本人が抱いたアジアのイメージとその背景を探ります。

<6/29>戦時歌謡

十五年戦争の時代に作られた「露営の歌」「愛国行進曲」等、時局を反映した数多くの歌は国民にどんな影響を及ぼしたのか。検閲の実態も合わせて考察します。

<7/13>戦後復興と流行歌

1960年代までのヒット曲を手がかりに、戦後の日本人はどんな暮らしと社会を求めて歩き始めたのか、考えます。

<9/7>経済成長と望郷歌

経済成長にともなって、多くの若者たちが大都市に流入しました。三橋美智也等の望郷歌を手がかりに、近代化と“故郷”について考えてみます。


写真: 三橋美智也「三橋美智也全曲集(1)」(キングレコード)
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<9/21>フォーク・ニューミュージック・演歌

北中正和(音楽評論家/東京大学非常勤講師)

北中正和さんをゲスト講師に招き、1960-70年代のフォーク、ニューミュージックが表現した感性と意識、また同時代の演歌と“伝統”意識について考えます。

●主著:『ロック スーパースターの軌跡』音楽出版社 2008/『毎日ワールド・ミュージック』晶文社 2005
●参考文献:『ニューミュージックの時代』シンコー・ミュージック 1993/北中正和 『にほんのうた 戦後歌謡曲史』平凡社 2003
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<10/5>アイドル歌手の時代

1970-80年代のアイドル歌手たちを取り上げながら、マスメディアやテクノロジーの変化にともなって現実と虚構の関係がどう変っていったか、検討します。

写真: 松田聖子「Seiko Monument Disc.1:Monument ’80?’84」(CBS/SONY)
05. 歌う昭和史 ―流行歌でたどる日本社会の歩み

<10/19>メッセージソング

日本では、社会性の強いメッセージソングがどう受けとめられてきたのか。現代のデモの中の音楽もふまえ、歌の社会性・政治性について考えてみます。

<11/4(金)>日本人は洋楽をどう受け入れてきたか?大瀧詠一「分母分子論」再考

細川周平(国際日本文化研究センター 教授)

細川周平さんをゲスト講師に招き、諸外国と比較しつつ、日本人の洋楽受容について検討します。音楽を通して日本の近代化について考える最終回です。

●主著:『遠きにありてつくるもの―日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』みすず書房 2008/『日系ブラジル移民文学 1 日本語の長い旅[歴史]』みすず書房 2012

●参考文献:『増補新版 大瀧詠一 大瀧詠一と大滝詠一のソロ活動40年史』「文藝別冊/KAWADE夢ムック」河出書房新社 2012/輪島裕介『踊る昭和歌謡』NHK出版新書 2015
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