04. 戦後史は語る <いま・ここ>に至るまでの70年史

申し込み価格(税込):
40,000


昨年は「戦後」ということばが注目された一年でしたが、戦後がどのような時代だったのかという認識は、あまり深まらなかったようです。戦争や植民地支配の負の遺産に、戦後日本はきちんと向き合ったと言えるのでしょうか。冷戦は戦後日本に何をもたらしたのでしょうか。私たちのライフスタイルが大きく変わったことは何を意味するのでしょうか。考えるべき課題は山積みです。現在に直接つながる「戦後」という時代をひもといてみましょう。

◆講師&コーディネーター:

内海愛子(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授/市民文化フォーラム共同代表)

◎プロフィール:
1975-77年インドネシア・バンドンのパジャジャラン大学講師。80年代、PARCの「エビ研究会」で東南アジアの海辺を歩く。アジアで日本軍の占領や戦争裁判などの問題を調査。

●主著:
 『日本軍の捕虜政策』青木書店 2005/『朝鮮人BC級戦犯の記録』岩波現代文庫 2015



神子島健(成城大学 非常勤講師/戦後責任研究会)

◎プロフィール:
東京都多摩市在住。日中戦争を中心に、近代日本における戦争認識を、主に文学や思想のテクストを通して研究し、最近では小田実さんの本を色々読んでいます。また、地域の平和運動や自治の運動にも関わり、首都圏の米軍基地などについても調べています。集団的自衛権問題研究会でも活動しています。

●主著: 『戦場へ征く、戦場から還る』新曜社 2012/「当事者なき後の戦後責任論」『世界』2014年9月号/『戦後思想の再審判』(共編著)法律文化社 2015など
●参考ウェブサイト: 「歴史認識を獲得するための50冊」戦後責任研究会のサイト(4月頃開設予定)

●2016年6月 - 2017年1月 ●原則として火曜日 19:00-21:00
●全12回/定員30名 ●受講料:40,000円




※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。

(イメージ写真) CC : Danny Choo via Flickr
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<6/7>【オリエンテーション】戦後という時代を読む

内海愛子(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授/市民文化フォーラム共同代表)

神子島健(成城大学 非常勤講師/戦後責任研究会)

戦後の「平和主義」が問い直されている今、日本は誰と戦争し、どのような戦後処理をしたのか。なぜ、植民地支配の「清算」ができなかったのか。戦後70年を射程に考える。

●参考文献: 西村熊雄『サンフランシスコ平和条約・日米安保条約』中公文庫 1999/内海愛子『戦後補償から考える日本とアジア』山川出版社 2002

<6/28>戦後外交史を読み解く(1)―ポツダム宣言受諾(降伏)から米ソ冷戦終結まで

浅井基文(元広島市立大学広島平和研究所 所長)

私たちは、敗戦・日本の戦後の出発点がポツダム宣言及びそれを体した日本国憲法にあることを
忘れ、サンフランシスコ体制・米ソ冷戦体制にどっぷりつかってきてしまいました。その軌跡を
確認したいと思います。

●主著: 『すっきり!わかる 集団的自衛権Q&A』大月書店 2014/『検証 安倍談話』(共著)明石書店 2015

●参考ウェブサイト: 「21世紀の日本と国際社会」/「データベース「世界と日本」
04. 戦後史は語る <いま・ここ>に至るまでの70年史

<7/12>戦後外交史を読み解く(2)-湾岸戦争から現在(安保法制)まで

浅井基文(元広島市立大学広島平和研究所所長)

米ソ冷戦終結は新しい転機になる可能性を秘めていましたが、湾岸戦争によって「冷戦なき冷戦
思考」がその後もはびこり、現在に至っています。日本におけるその極めつけが安保法制です。
その経緯を確認したいと思います。

<8/2>戦後沖縄に「平和憲法」は適用されたのか ―今、平和運動と日米安全保障条約について考える

池尾靖志(立命館大学 非常勤講師)

今なお、膠着状態にある「辺野古」はもとより、高江でも座りこみがはじめられて9年、沖縄本島北部では、伊江島も含めてオスプレイの飛行訓練が行われている。また、北朝鮮や中国の脅威を煽って、南西諸島への自衛隊配備が進められている。こうした状況を打開するために「本土」で何ができるのか、一緒に考えてみましょう。

●主著: 『自治体の平和力』岩波書店 2012/『地域から平和をきずく―オキナワ・イワクニからみた日本』(共著)晃洋書房 2010
●参考文献: 新崎盛暉『日本にとって沖縄とは何か』岩波書店 2016/三上智恵『戦場ぬ止み』大月書店 2015
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<9/6>女性の戦後社会運動史を振り返る

水溜真由美(北海道大学 大学院文学研究科・文学部 准教授)

戦後の女性運動の流れを、ウーマン・リブ前後の連続と断絶の双方を考慮に入れながらふり返ります。

●主著: 『「サークル村」と森崎和江―交流と連帯のヴィジョン』ナカニシヤ出版 2013

●参考文献: 女たちの現在を問う会『全共闘からリブへ―銃後史ノート戦後篇8』インパクト出版会 1997/水溜真由美「アジアの女たちの会とその周辺―国際連帯の観点から」安田常雄編『シリーズ 戦後日本社会の歴史』第3巻 岩波書店 2012
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<10/3(月)>戦後政治史を読み解く(1)―戦後における「国家保守主義」の再建

中野晃一(上智大学国際教養学部国際教養学科 教授)

戦後日本の保守政治は、どのようにして復権し、そしていかにして今日のようなかたちに変貌していったのでしょう。官僚制と政党政治の双方から検討します。

●主著・参考文献: 『戦後日本の国家保守主義ー内務・自治官僚の軌跡』岩波書店 2013/『右傾化する日本政治』岩波新書 2015
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<10/24(月)>戦後政治史を読み解く(2)―新自由主義と保守政治の空洞化

中野晃一(上智大学国際教養学部国際教養学科 教授)

<11/15>解体された農村―戦後改革、冷戦そしてグローバリゼーションの時代を農の現場から検証する

大野和興(農業ジャーナリスト)

アジア太平洋戦争のさなか、1940年代に四国山脈の村で育ち、その後村を歩くことを仕事にしてきました。戦後の農業と村を目撃、それをお伝えできればと願っています。

●主著:『日本の農業を考える』岩波ジュニア新書 2004/『食大乱の時代―“貧しさの連鎖の中の食”』七つ森書館 2008

●参考文献:『百姓が時代を創る』(対論山下惣一・大野和興)七つ森書館 2004
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<11/29>戦後経済史を読み解く(1)―戦後賠償とは何だったのか

原 朗(経済史学者/東京大学 名誉教授)

米軍の初期占領政策は非軍事化・民主化と厳しい賠償を求めていたが、米ソ冷戦の激化で賠償政策は転換され、アジアの数国に少額を支払うだけで済んだ。そのことの意味を考える。

●主著: 『日本戦時経済研究』東京大学出版会 2013/『日清・日露戦争をどう見るか』NHK出版 2014
●参考文献: 三谷太一郎他編『近代日本と植民地』第8巻「アジアの冷戦と脱植民地化」 1993/三和良一・原 朗編『近現代日本経済史要覧 補訂版』東京大学出版会 2010
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<12/13>戦後経済史を読み解く(2)―高度成長から低迷する経済へ

原 朗(経済史学者/東京大学 名誉教授)

戦後変革のあと高度成長期を迎え、石油危機後とバブル後に失速して低迷を続け<いま・ここ>へ至る過程を概観し、あわせて賠償が対外経済協力に変形しODAに至る経緯も考察する。

<1/10>占領下、在日朝鮮人の視点からみる日本国家

呉 圭祥(在日朝鮮人歴史研究所 副所長)

占領政策とそれに基づいた日本政府の対在日朝鮮人政策を朝鮮人側から検討し、その特徴などをみる。そこから今日の在日朝鮮人の生活と諸活動の現状を推察する。

●主著: 『ドキュメント在日本朝鮮人連盟1945-1949』岩波書店 2009/『在日朝鮮人企業活動形成史』雄山閣出版 1992

●参考文献: 田中宏『在日外国人: 法の壁, 心の溝』岩波書店 2013 /呉 圭祥『記録・朝鮮総聯60年』2015/内海愛子ほか『戦後責任 アジアのまなざしに応えて』(共著)岩波書店 2014
04. 戦後史は語る <いま・ここ>に至るまでの70年史

<1/24>今を生きる私たち -社会運動と未来の構想

内海愛子(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授/市民文化フォーラム共同代表)

神子島健(成城大学 非常勤講師/戦後責任研究会)

戦後史を学んだうえで、あなたはそこから何を受け取り、どのような未来を作っていきたいのでしょうか。講座のまとめとして参加者みんなで考える回にしたいと思います。

●参考文献: 道場親信『抵抗の同時代史―軍事化とネオリベラリズムに抗して』人文書院 2008/三一書房編集部編『デモ!オキュパイ!未来のための直接行動』三一書房 2012