著者と読む『身の丈の経済論: ガンディー思想とその系譜』
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著者と読む『身の丈の経済論: ガンディー思想とその系譜』

申し込み価格(税込):
25,000


脱成長の時代におけるほんとうの豊かさとは何でしょうか。大量生産・大量消費と環境破壊が進むなかで、人間と人間、人間と自然とのより豊かで自立共生的な関係を追求したガンディーの思想と実践を軸に、持続可能な社会への転換を探る『身の丈の経済論:ガンディー思想とその系譜』を著者の石井一也さんと読んでいきます。双方向で質疑応答やディスカッションも行う、少人数制・参加型のゼミです。

●2021年8月-12月
●原則として金曜日19:00-21:00
●全10回 ●定員20名
●テキスト:石井一也『身の丈の経済論:ガンディー思想とその系譜』法政大学出版局 2014 (※テキストは事前に各自でご購入ください。)

●受講料:25,000円 (※初めて自由学校連続講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。)

<若者応援!U25割>
25歳以下の方は入学金免除で受講いただけます。ご希望の方は、「入学金なし(すでに自由学校を受講したことがある)」を選択いただき、備考欄にU25割適用希望とご記載の上お申し込みください。

●開催形式:オンライン参加型講座(zoom利用予定)
・参加型の読書講座です。なるべくカメラ・マイクをつないでいただき、参加者同士でテーマについて議論を深めていきます。
・講師もオンラインで参加します。
・オンライン参加にあたり、接続等に不安のある方はPARC事務局までご相談ください。接続マニュアルの送付など、ご参加のためのサポートをいたします。また、機材やインターネット環境に不安のある方は、PARC事務局にてオンライン講座にご参加いただくことも可能です。
只今申し込みできません。お問い合わせください。

●講師:石井一也(香川大学法学部 教授)

大学院では、タイ児童労働のフィールド調査なども同時に行い、開発を批判的にみる研究をしてきました。今はもっぱらガンディー研究に専念し、西欧近代を乗り越える価値を探しています。地球という閉じられた空間において、人間が他者ととともにいかに生きてゆくか、皆さんと考えてゆきたいと思います。

●参考文献:
M. K. ガーンディー著、田中敏雄訳『真の独立への道(ヒンド・スワラージ)』岩波文庫 2001/アジット・K. ダースグプタ著、石井一也監訳『ガンディーの経済学:倫理の復権を目指して』作品社 2010
著者と読む『身の丈の経済論: ガンディー思想とその系譜』

●講義の進め方

初回オリエンテーションの後、一回に付き一章を読み進めていきます。毎回1-2名の方に概要をまとめていただき、発表いただきます。その後講師からの解説と質疑応答・ディスカッションを行います。

8/6 オリエンテーション/自己紹介/序章 身の丈の経済論

本書の基本的な問題意識と構成を示しています。初回は、この序章を中心に、本書の概要とガンディー研究を始めるきかっけとなったエピソードなどをお話しします。

8/27 第一章 ガンディーの生涯

ガンディーの人生を大きく3つの時期に分け、のちに取り上げられる彼の様々な思想や概念が、どのような状況のもとに生まれてきたかを辿っています。

9/10 第二章 ガンディー研究をめぐる論点

ガンディーが、これまでどのように語られてきたかを振り返ります。近代主義やポスト近代主義などによる論評を踏まえて、それらとは異なる光の当て方を探ろうとするものです。

9/24 第三章 宗教観

ガンディーが、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、そしてキリスト教などの影響を受けて、いかにコンヴィヴィアリティ(自立共生)のための倫理を構築していったかを考えます。

10/8 第四章 経済思想の基本構造

近代文明およびそれを支えた経済学、マルクス主義にたいするガンディーの批判を検討し、「ポスト近代」を目指す彼の経済論を、詩人タゴールとの論争とともに概観します。

10/22 第五章 チャルカー運動

チャルカー運動は、ガンディー経済論の一大柱を構成します。彼が、この運動を通じて、機械と市場という近代のシステムをいかに乗り越えようとしていたかを辿ります。

11/2(火) 第六章 受託者制度理論

受託者制度理論は、ガンディー経済論のもう一方の柱を構成するものです。彼が、この理論によって階級間のコンヴィヴィアリティをいかに構築しようとしていたかを見てゆきます。

11/19 第七章 ガンディー死後の「ガンディー主義」

ガンディー思想を継承したヴィノーバー・バーヴェーとJ. P. ナーラーヤンによるサルヴォーダヤ運動の展開を追い、独立インドにおけるガンディー思想の影響を確認します。

12/3 第八章 ガンディー思想と経済学

ガンディー思想を経済学に導入しようとしたエルンスト・F. シューマッハーを中心として、思想的系譜とその今日的意義を、アマルティア・K. センの諸概念を用いて検討します。

12/17 まとめとして 終章:ガンディー思想とグローバリゼーション

本書全体を簡単に振り返ったあとで、グローバル化時代におけるガンディー思想の意義を世代間の関係性をも念頭に置いて明らかにしようとするものです。