●コーディネーター:田中 滋(PARC 事務局長)
気候危機はもはや未来のことではなく、すでに被害者を生んでいる問題です。そしてさらなる深刻化を防ぐためのカウントダウンはすでに始まっています。しかし、同時に早急な対策は別の問題も引き起こします。多様な視点で気候危機をとらえ、公正な未来のあり方を一緒に考えましょう。

7/7(水)気象災害の被災者はだれか?
橋本淳司(水ジャーナリスト/アクアスフィア・水教育研究所 代表)
谷 洋一(NPO法人水俣病協働センター/水俣病被害者互助会)
2020年7月、九州各地を豪雨が襲い甚大な被害をもたらしました。20世紀に国策として工業化が進められ、その恩恵を国民が幅広く受けながらも、気候危機で真っ先に被害を受けるコミュニティの一つは熊本の人びとでした。この構図は水俣病を彷彿とさせます。国策で工業が推し進められ、被害は東京から遠く離れた場所で甚大なものとなりました。どちらの災害も身近で見て来た支援者から報告いただくとともに、全国的な治水格差の実態についてご報告いただきます。
谷 洋一(NPO法人水俣病協働センター/水俣病被害者互助会)
2020年7月、九州各地を豪雨が襲い甚大な被害をもたらしました。20世紀に国策として工業化が進められ、その恩恵を国民が幅広く受けながらも、気候危機で真っ先に被害を受けるコミュニティの一つは熊本の人びとでした。この構図は水俣病を彷彿とさせます。国策で工業が推し進められ、被害は東京から遠く離れた場所で甚大なものとなりました。どちらの災害も身近で見て来た支援者から報告いただくとともに、全国的な治水格差の実態についてご報告いただきます。

7/21(水)狂う暦、困る農家
Esther Penunia(アジア農民連合)
突然の気象災害はもちろんのこと、それ以外にもわずかな降雨パターンの変化や気温の変化によっても農家は大きな影響を受けます。地域に根差して、その地固有の農法を伝統的に引き継いできた小農ほどその被害は大きくなります。アジアの小農が日々直面する事態をご報告いただきます。
突然の気象災害はもちろんのこと、それ以外にもわずかな降雨パターンの変化や気温の変化によっても農家は大きな影響を受けます。地域に根差して、その地固有の農法を伝統的に引き継いできた小農ほどその被害は大きくなります。アジアの小農が日々直面する事態をご報告いただきます。

9/8(水)(予定)転換に見捨てられる人びと
(講師交渉中)
米国東部のアパラチア山脈。石炭や天然ガス採掘で知られる米国における「見捨てられた地域」の一つです。歴史的に人種差別も激しいこの地域で黒人として暮らすことは何を意味するのか?バイデン政権が気候危機対策を最重要課題の一つに据えた状況を人びとはどのように受け止めているのでしょうか?
9/22(水)電気自動車が滅ぼす生態系
Grizelda Mayo-Anda(環境法律支援センター/ELAC)
フィリピン・パラワン島は手つかずの自然が残っている「最後のフロンティア」と言われています。そしてそこは低炭素社会への移行のカギになる鉱物を多く宿しています。低炭素社会を目指して開発が進めば島の破壊は取り返しのつかないものになるでしょう。
フィリピン・パラワン島は手つかずの自然が残っている「最後のフロンティア」と言われています。そしてそこは低炭素社会への移行のカギになる鉱物を多く宿しています。低炭素社会を目指して開発が進めば島の破壊は取り返しのつかないものになるでしょう。

10/6(水)「いのち」を破壊しては地球を救うことはできない
Carlos Zorilla(DECOIN)
エクアドルでも低炭素社会に必要な鉱物をめぐって大規模な鉱山開発が進められようとしています。「社会全体のトランジションのためには多少の犠牲はやむを得ない」のでしょうか?その考え方の向こうに待つのは恐ろしいディストピアです。
エクアドルでも低炭素社会に必要な鉱物をめぐって大規模な鉱山開発が進められようとしています。「社会全体のトランジションのためには多少の犠牲はやむを得ない」のでしょうか?その考え方の向こうに待つのは恐ろしいディストピアです。

10/20(水)なぜ、脱・資本主義でなければならないのか?―公正なトランジションに向けて
斎藤幸平(大阪市立大学)
差し迫った気候危機に公正さをもって対応するには資本主義そのものを見直さなければなりません。マルクスに立ち返ってこの問題を考えましょう。
●主著:『人新世の「資本論」』集英社新書 2020/『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』 堀之内出版 2019/『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』(共著) 集英社新書 2019
●参考文献:マレーナ・エルンマン、グレタ・トゥーンベリ著、羽根由訳『グレタ たった一人のストライキ』海と月社 2019/ナオミ・クライン著、幾島幸子、荒井雅子訳『これがすべてを変える─資本主義 vs. 気候変動』岩波書店 2017
※「1. パンデミックを超えて―ポスト・グローバル資本主義への道」講座と合同で開催します。
差し迫った気候危機に公正さをもって対応するには資本主義そのものを見直さなければなりません。マルクスに立ち返ってこの問題を考えましょう。
●主著:『人新世の「資本論」』集英社新書 2020/『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』 堀之内出版 2019/『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』(共著) 集英社新書 2019
●参考文献:マレーナ・エルンマン、グレタ・トゥーンベリ著、羽根由訳『グレタ たった一人のストライキ』海と月社 2019/ナオミ・クライン著、幾島幸子、荒井雅子訳『これがすべてを変える─資本主義 vs. 気候変動』岩波書店 2017
※「1. パンデミックを超えて―ポスト・グローバル資本主義への道」講座と合同で開催します。

11/10(水)考えよう!資本主義断捨離計画
Judith Hitchman(Urgenci/社会的連帯経済を推進する大陸間ネットワーク 共同代表)
地球規模の気候システムに甚大な破壊をもたらした資本主義経済はもう続けていけません。どうしたら私たちは経済の歯車になり続けることを止めて、社会を変えていく主体になれるのでしょうか?一緒に対策を考えましょう。
地球規模の気候システムに甚大な破壊をもたらした資本主義経済はもう続けていけません。どうしたら私たちは経済の歯車になり続けることを止めて、社会を変えていく主体になれるのでしょうか?一緒に対策を考えましょう。
