カウントダウン・気候危機―全員で生き残れるトランジションを考える
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カウントダウン・気候危機―全員で生き残れるトランジションを考える

申し込み価格(税込):
15,000


気候危機はすでに差し迫ったものになっており、世界中で気象パターンの変化や大型台風、集中豪雨、干ばつなどの気候災害が頻発するようになっています。しかし、その被害は決して均一ではありません。一部の人が大きな被害を受ける一方、気候変動を肌で感じられない国や地域も少なくありません。対策についても同様です。世界中で気候危機対策が叫ばれる中で、取り残される地域や破壊される生態系があり、その犠牲の上に住みよい低炭素生活を謳歌する人びとがいるのです。
この気候危機がもたらす不正義を是正し、全員で公正に生き残れる低炭素社会への移行(トランジション)は可能なのでしょうか?本講座では気候危機によって不当に大きな被害をすでに受けているコミュニティ、対策のために追い詰められるコミュニティからの声に耳を傾け、あるべき大転換を一緒に考え議論します。

●2021年7月-11月
●水曜日19:00-21:00
●全7回 ●定員50名
※海外のゲストが報告する回では毎回逐次通訳が入ります

●受講料:15,000円 (※初めて自由学校連続講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります。)

<若者応援!U25割>
25歳以下の方は受講料5,000円、入学金免除で受講いただけます。ご希望の方は専用の申込みページからお申し込みください。

●開催形式:オンライン参加型講座(zoom利用予定)
・参加型の連続講座です。質疑応答や議論の時間には、なるべくカメラ・マイクをつないでいただき、参加者同士でテーマについて議論を深めていきます。
・講師・コーディネーターもオンラインで参加します。
・オンライン参加にあたり、接続等に不安のある方はPARC事務局までご相談ください。接続マニュアルの送付など、ご参加のためのサポートをいたします。また、機材やインターネット環境に不安のある方は、PARC事務局にてオンライン講座にご参加いただくことも可能です。
只今申し込みできません。お問い合わせください。

●コーディネーター:田中 滋(PARC 事務局長)

気候危機はもはや未来のことではなく、すでに被害者を生んでいる問題です。そしてさらなる深刻化を防ぐためのカウントダウンはすでに始まっています。しかし、同時に早急な対策は別の問題も引き起こします。多様な視点で気候危機をとらえ、公正な未来のあり方を一緒に考えましょう。
カウントダウン・気候危機―全員で生き残れるトランジションを考える

7/7(水)気象災害の被災者はだれか?

橋本淳司(水ジャーナリスト/アクアスフィア・水教育研究所 代表)
谷 洋一(NPO法人水俣病協働センター/水俣病被害者互助会)
2020年7月、九州各地を豪雨が襲い甚大な被害をもたらしました。20世紀に国策として工業化が進められ、その恩恵を国民が幅広く受けながらも、気候危機で真っ先に被害を受けるコミュニティの一つは熊本の人びとでした。この構図は水俣病を彷彿とさせます。国策で工業が推し進められ、被害は東京から遠く離れた場所で甚大なものとなりました。どちらの災害も身近で見て来た支援者から報告いただくとともに、全国的な治水格差の実態についてご報告いただきます。
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7/21(水)狂う暦、困る農家

Esther Penunia(アジア農民連合)
突然の気象災害はもちろんのこと、それ以外にもわずかな降雨パターンの変化や気温の変化によっても農家は大きな影響を受けます。地域に根差して、その地固有の農法を伝統的に引き継いできた小農ほどその被害は大きくなります。アジアの小農が日々直面する事態をご報告いただきます。
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9/8(水)(予定)転換に見捨てられる人びと

(講師交渉中)
米国東部のアパラチア山脈。石炭や天然ガス採掘で知られる米国における「見捨てられた地域」の一つです。歴史的に人種差別も激しいこの地域で黒人として暮らすことは何を意味するのか?バイデン政権が気候危機対策を最重要課題の一つに据えた状況を人びとはどのように受け止めているのでしょうか?

9/22(水)電気自動車が滅ぼす生態系

Grizelda Mayo-Anda(環境法律支援センター/ELAC)
フィリピン・パラワン島は手つかずの自然が残っている「最後のフロンティア」と言われています。そしてそこは低炭素社会への移行のカギになる鉱物を多く宿しています。低炭素社会を目指して開発が進めば島の破壊は取り返しのつかないものになるでしょう。
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10/6(水)「いのち」を破壊しては地球を救うことはできない

Carlos Zorilla(DECOIN)
エクアドルでも低炭素社会に必要な鉱物をめぐって大規模な鉱山開発が進められようとしています。「社会全体のトランジションのためには多少の犠牲はやむを得ない」のでしょうか?その考え方の向こうに待つのは恐ろしいディストピアです。
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10/20(水)なぜ、脱・資本主義でなければならないのか?―公正なトランジションに向けて

斎藤幸平(大阪市立大学)
差し迫った気候危機に公正さをもって対応するには資本主義そのものを見直さなければなりません。マルクスに立ち返ってこの問題を考えましょう。
●主著:『人新世の「資本論」』集英社新書 2020/『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』 堀之内出版 2019/『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』(共著) 集英社新書 2019
●参考文献:マレーナ・エルンマン、グレタ・トゥーンベリ著、羽根由訳『グレタ たった一人のストライキ』海と月社 2019/ナオミ・クライン著、幾島幸子、荒井雅子訳『これがすべてを変える─資本主義 vs. 気候変動』岩波書店 2017

※「1. パンデミックを超えて―ポスト・グローバル資本主義への道」講座と合同で開催します。
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11/10(水)考えよう!資本主義断捨離計画

Judith Hitchman(Urgenci/社会的連帯経済を推進する大陸間ネットワーク 共同代表)
地球規模の気候システムに甚大な破壊をもたらした資本主義経済はもう続けていけません。どうしたら私たちは経済の歯車になり続けることを止めて、社会を変えていく主体になれるのでしょうか?一緒に対策を考えましょう。
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