◆講師:武藤一羊(ピープルズ・プラン研究所 運営委員)
◎主著:『戦後レジームと憲法平和主義─<帝国継承>の柱に斧を』れんが書房新社 2016/『潜在的核保有と戦後国家─フクシマ地点からの総括』社会評論社 2011/『アメリカ帝国と戦後日本国家の解体 新日米同盟への抵抗線』社会評論社 2006
◎共訳書:ジャイ・セン他『世界社会フォーラム 帝国への挑戦』 作品社 2005

◎講師からのメッセージ
1995年台北で初めて出会って以来、著者はぼくにとって最も信頼できる中国知識人の一人だ。当時から北京大学の超人気教授。専門は映画批評・文化批評だが、それを通じて、中国革命の過去と現在に足を踏みしめながら、グローバルな視野と行動で資本主義を越える未来を探り続ける思想家である。本書はLisa Rofelの編集によるエッセイ集。著者の「ポスト冷戦時代の文化政治」を論じる書物は邦訳されているが、本書では「ポスト冷戦時代」のまたその後、と時代は把握される。本書第一部の表題「トラウマ、退避した記憶、裏返された歴史たち」からは、中国革命のその後を問い、そこから「中国史の未来」を探るという著者の立ち位置が読み取れる。これは明らかに中国だけに関わる問と探求ではない。そういう観点でこの本を読んでみたい。
◎日程
第1回:7/1
第2回:7/15
第3回:7/29
第4回:9/2
第5回:9/16
第6回:9/30
第7回:10/14
第8回:10/28
第9回:11/11
第10回:11/25
第11回:12/9
第12回:12/23
第13〜15回: 2021年1〜2月で調整
◎テキスト著者: 載 錦華(ダイ・ジンファ)
1959年北京生まれ。大衆文化・映画・ジェンダーを研究テーマとし、北京電影学院、オハイオ州立大学などの教職を歴任したのち1997年北京大学比較文学・文化研究所の教授に就任。フェミニスト文化批評家としても知られている。
◎こんな人におすすめ!
・一冊の本を深く読み込む力を身につけたい方
・グローバル化した資本主義の先の未来について考察・議論してみたい方
◎クラスの進め方
各回の予習箇所について、参加者がそれぞれ約1ページずつ、文章を訳していきます(挙手制)。そして、テキストの内容に関するディスカッションを日本語で講師と参加者で行います。英文の読解力を高めたい人にピッタリのクラスです。武藤一羊さんの鋭いコメントも魅力の一つ。