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【教室受講】2020年 持続可能な未来への分岐点 グローバル・クライシスと日本の選択

申し込み価格(税込):
34,000


グローバリゼーションによって人・モノ・資本・サービスの移動が促進され、経済が拡大すれば社会全体が豊かになるという「成長の公式」の下、世界は飽くなき欲望を追求してきました。しかしその結果、私たちは多くの危機に直面しています。格差拡大や気候危機、食料不足、貿易戦争、移民・難民など各地で問題が噴出し、民主主義による統治も困難となり各国・地域での政治状況が揺らいでいます。これらの状況とつながり、日本でも貧困・格差や地域経済の衰退など多くの課題があります。どうすれば持続可能な世界が実現できるのか。2020年をその転換点とできるよう、国際市民社会の視点に立って何をすべきかを考えます。

●2020年8月-
●原則として金曜日 19:00-21:00
●全10回/定員18名 
●受講料:34,000円

※初めて自由学校通年講座を受講される方は別途入学金10,000円が必要となります

(イメージ写真) CC : Gabriel Civita Ramirez via flickr

当講座は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、開講を延期することとなりました。下記の新たなスケジュールで実施する予定です。

※こちらは教室受講用の申込みページです。
※オンライン聴講も同時募集しております。詳細はこちらをご覧ください。
25歳以下の方限定の割引価格<ヤング割り>でオンライン聴講を希望される方は専用ページからお申し込みください
※講義中の質疑応答やディスカッションの際の発言は教室受講の方を優先いたします。また、教室受講の方はご事情に応じて自由にオンライン聴講もしていただけます。
※感染症の影響により、延期後の開講日においてもPARC自由学校教室にて講座を実施することが困難な場合には、教室受講を中止し、オンライン聴講のみにて開催いたします。その場合はオンライン聴講への振り替え(受講料差額を返金)、あるいはキャンセル(受講料全額を返金)を承ります。教室での開催可否については、開講日2週間前になりましたらお申し込みいただいた皆さまにお知らせ申し上げます。
 
只今申し込みできません。お問い合わせください。

8/6(木) 【オリエンテーション】私たちはどこに立っているのかーグローバル・クライシスの構造を解きほぐす

中山智香子(東京外国語大学 教授/PARC 理事)

世界が足元から揺らぐような出来事が、次々と起こっている。一国では打開でき ず、国際社会の足並みは乱調である。ここでまず立ち位置と、時空間のとらえかたを見直してみよう。21世紀の「リオリエント」である。
●主著:『経済ジェノサイド』平凡社新書 2013
●参考文献:アンドレ・グンダー・フランク『リオリエント アジア時代のグローバルエコノミー』藤原書店 2000/峯陽一『2100年の世界地図 アフラシアの時代』岩波新書 2019
【教室受講】2020年 持続可能な未来への分岐点 グローバル・クライシスと日本の選択

8/21 【貿易戦争】 WTOから25年、公正な貿易を求める世界の運動

内田聖子(PARC 共同代表)

グローバル化の中で進められてきた自由貿易は、貧困と格差の拡大、地域経済の衰退、民主主義の後退などさまざまな悪影響をもたらした。貿易の本来の目的とは何か、持続可能な経済を求める世界の人びとの運動から考える。
●主著:『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』(編著)コモンズ 2017/ 『TPP・FTAと公共政策の変質 問われる国民主権、地方自治、公共サービス』 (共著)自治体研究社 2017
●参考文献:ダニ・ロドリック著、岩本正明訳 『貿易戦争の政治経済学 資本主義を再構築する』白水社 2019
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9/11 【戦争・紛争】 なぜ戦争・紛争は繰り返されるのかーNGOの現場から

谷山博史(日本国際ボランティアセンター〈JVC〉理事/「NGO非戦ネット」呼びかけ人)
米国とイランの対立、パレスチナ問題、北朝鮮の非核化など世界では多くの戦争・紛争が絶えません。国家間のパワーゲームの犠牲となるのは常に人びとです。アフガニスタンはじめ多くの現場で国際NGOとして活動してきた講師に、日本の安保法制・自衛隊派遣の問題、その背景としての各国の軍事化、国際市民社会のカウンター・アクションをお聞きします。
●主著:『「積極的平和主義」は、紛争地になにをもたらすか?! NGOからの警鐘』合同出版 2015/『非戦・対話・NGO ─国境を越え、世代を受け継ぐ私たちの歩み』(共著)新評論 2017
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9/25 【人口増と食料危機】 持続可能な農と食をつくる小規模・家族農業とアグロエコロジー

関根佳恵(愛知学院大学 准教授/家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン 常務理事)

SDGs(持続可能な開発目標)の目標「ゼロ飢餓」は今も実現していません。私たちの農と食が持続可能なシステムに移行するために、国連は小規模・家族農業とアグロエコロジーを推進しています。世界の潮流を学び、日本の針路を考えましょう。
●主著:Kae Sekine and Alessandro Bonanno『The Contradictions of Neoliberal Agri-food: Corporations, Resistance, and Disasters in Japan』West Virginia University Press 2016/ Alessandro Bonanno, Kae Sekine, and Hart N. Feuer (Eds.)『Geographical Indication and Global Agri-Food: Development and Democratization』Routledge 2020
●参考文献:国連世界食料保障委員会 専門家ハイレベル・パネル『家族農業が世界の未来を拓く』農文協 2014/ 小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン編『よくわかる国連「家族農業の10年」と「小農の権利宣言」』農文協 2019
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10/9 移民・難民問題と右翼ポピュリズム―ヨーロッパの経験から

板橋拓己(成蹊大学法学部政治学科 教授)

近年のヨーロッパでは、右翼ポピュリズムという勢力が、移民・難民問題を争点に掲げて台頭している。そうした動きがリベラルな民主主義を脅かしていること、そしてそれは日本にとっても無縁ではないことを論じてみたい。
●主著:『アデナウアー 現代ドイツを創った政治家』中公新書 2014/『黒いヨーロッパ ドイツにおけるキリスト教保守派の「西洋(アーベントラン ト)」主義、1925〜1965年』吉田書店 2016
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10/23 偽情報と闘うメディア―「スロージャーナリズム」とは何か

松本一弥(朝日新聞 夕刊企画編集長/ジャーナリスト)

偽情報をめぐる動きは「欧米で起きている知的な話題」として消費されがちですが、私たちはどこまで問題の本質に迫れているでしょうか。メディアとアカデミズムのいまを見つめるとともに、「スロージャーナリズム」とは何かを考えたいと思います。
●主著:『ディープフェイクと闘う「スロージャーナリズム」の時代』朝日新聞出版 2019/『55人が語るイラク戦争 9・11後の世界を生きる』岩波書店 2011
●参考文献:朝日新聞「新聞と戦争」取材班『新聞と戦争』朝日 文庫 2011/ Yochai Benkler 他著『NETWORK PROPAGANDA Manipulation, Disinformation, and Radicalization in American Politics』OXFORD UNIVERSITY PRESS 2018

11/6 資本主義と闘った男―宇沢弘文と経済学の世界

佐々木実(ジャーナリスト)

国連がSDGsを唱えるより、はるか50年も前に「社会的共通資本」の経済学を着想し、持続可能な社会を探究した宇沢弘文(1928-2014)。「ノーベル経済学賞にもっとも近かった日本人」の思想と学問を学ぶ。
●主著 :『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』 講談社 2019/『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』講談社 2013
●参考文献: 宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書 2000/宇沢弘文『自動車の社会的費用』岩波新書 1974
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11/20 危機を希望に変える―資本主義の新しい形と地域再生の新戦略

諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科/地球環境学堂)

地域の発展とは一体どういうことなのか。地域開発、地方創生など、これまで行われてきた取り組みの多くは、必ずしも成功していない。変わりつつある資本主義の新しい形に応じた、新しい地域再生とは何かを考えたい。
●主著:『資本主義の新しい形』岩波書店 2020/『人口減少時代の都市─ 成熟型のまちづくりへ』中公新書 2018
●参考文献:諸富徹『「エネルギー自治」で地域再生!─飯田モデルに学ぶ』岩波ブックレット 2015/諸富徹 編著『入門 地域付加価値創造分析─再生可能エネルギーが促す地域経済循 環』日本評論社 2019

※「2. ミュニシパリズム(地域主義)という希望」講座と合同で開催します。

【日程調整中】 <特別オープン講座> 【気候危機と資本主義】 大洪水の前にーグレタさんとマルクスから「気候危機」を考える

斎藤幸平(大阪市立大学経済学部 准教授)

気候危機が深刻化するなかで、資本主義そのものを見直す必要が出てきています。無限な経済成長を有限な地球で追い求めることは不可能だからです。この問題をマルクスに立ち返って考えたいと思います。
●主著 :『人新世の「資本論」』集英社新書 2020/『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』 堀之内出版 2019 / 『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』(共著) 集英社新書 2019
●参考文献:マレーナ・エルンマン、グレタ・トゥーンベリ著、羽根由訳『グレタ たった一人のストライキ』海と月社 2019/ナオミ・クライン著、幾島幸子、荒井雅子訳『これがすべてを変える─資本主義 vs. 気候変動』岩波書店 2017

※特別オープン講座のため、この回のみ参加される一般参加者との合同受講となります
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【日程調整中】 <特別オープン講座> 脱グローバリズム時代への転換期―国家・地域・民主主義

柴山桂太(京都大学大学院人間・環境学研究科 准教授)

グローバリズムが民主主義を空洞化させ、国内の利害調整が機能せず、国際政治・社会そして人びとの間に深刻な歪みと分断を引き起こしている。この状況を打開するためのキーワードは、「国家・地域・民主主義」である。世界の潮流と日本の現状をつなぎ、目指すべき方向を考える。
●主著:『静かなる大恐慌』集英社新書 2012/『グローバリズムが世界を滅ぼす』(共著)文春新書 2014

※特別オープン講座のため、この回のみ参加される一般参加者との合同受講となります
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